◇◇◇ITCL英語劇・『マクベス』公演録◇◇◇英語英米文学科

投稿日時 2012-6-4 15:28:00 | トピック: 最新情報

 6月1日(金)に、毎年、初夏の日本列島を駆け抜けるITCL (International Theatre Company London) による英語劇ツアー公演を関東学院大学文学部英語英米文学科主催で行いました。金沢公会堂における本学主催の同劇団の公演は、関東学院125周年記念の関連行事として2008年から始まり、今回で第7回目を迎えました。今年の演目はシェイクスピア悲劇のなかでも人気の高い『マクベス』。神奈川県下での上演は本学が唯一であることから、例年、学外の方にも数多
 くご来場いただいています。6月1日(金)に行わ
 れた今回の公演には、学生、一般の方々あわせ
 て500名ほどの来場があり、大盛況のうちに幕
 を閉じました。





 幕が上がると同時に殺風景な舞台は幻想の世界へ。3人の魔女と、劇中、惨殺される3人(ダンカン、バンクフォー、マクベス)を連想させるシルエットが手をつなぎ歩く冒頭のシーンはシンボリックかつ印象的で、「人生は歩く影法師」(Life’s but a walking shadow…)という名台詞が瞬時に頭をよぎりました。







  シェイクスピア悲劇のなかで一番短く、一番「血塗られた」(bloody)戯曲とされる『マクベス』。実は、11世紀に実在したスコットランド王マクベスについて書かれた『年代記』が題材になっています。史実的には「良い王」(a good king)であったスコットランド王マクベスをシェイクスピアは暴君 (a tyrant) として描いたのです。









 演出家のポール・ステビングズは『マクベス』の人気の理由として、「迷信」(superstition)、「政治」(politics)、「悲劇」(tragedy) の絡み合いと、権力への欲望、そしてその結果生じる破滅、というテーマが持つ現代性を挙げています。











 “Are we driven or do we drive?”——ダンカン王など1人6役を演じたエリック・テシエ・ラヴィーニュ氏によると、これは日本のポスターだけについた「非常に面白い」サブタイトルだということ。「人は(破滅へと)追いこまれるのか、それとも突き進むのか?」「僕らのスタンスは後者だ」(we drive, …we drive)と繰り返していたラヴィーヌ氏の言葉が心に残ります。人は運命を自ら選びとってい
 る、ということでしょう。









 いくつもの役をこなしながら縦横無尽に舞台を駆け巡るのは、たった6人の役者たち。マイクなしで会場中に朗々と響き渡る声。ときに舞台から飛び出して通路や観客席を練り歩くエネルギッシュなパフォーマンス。彼らの圧倒的な迫力が会場の空気を支配して、舞台は熱気に包まれました。







 神戸を皮切りに5月中旬からスタートしたITCLの『マクベス』世界公演ツアーは、まだ始まったばかりです。日本国内で15回の公演を終えた彼らは、すでに6月3日(日)に日本を離れ、翌日から長期にわたるドイツ・ツアーをスタートさせています。世界中からお呼びがかかるITCLのシェイクスピア劇。最終的に彼らの旅は14カ国にも及ぶ予定で、年をまたいで来年まで断続的につづくということです。


               英語英米文学科
                 准教授 萩原 美津


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