◇◆◇◆ 文学部比較文化学科ワールドスタディ(フランス)報告 ◇◆◇◆

投稿日時 2012-11-5 8:30:00 | トピック: 最新情報

 比較文化学科には「ワールドスタディ」という科目があります。「ワールドスタディ」では事前授業で現地についてしっかりと学び、入念に準備をした後に、学科の教員と共に外国へ出かけ、1週間から10日程度の研修を行います。毎年、アジアとヨーロッパでそれぞれ「ワールドスタディ」が開講されており、今年度の「ヨーロッパ」はフランスでした。今年度は、フランス担当の郷原が妊娠中であったため、7月末から8月初めにかけての事前授業のみを担当し、8月26日から9月3日にかけての現地研修は、パリに8年生活した経験をお持ちで、現在、文学部でフランス語をご担当の佐藤朋子先生に引率していただきました。2年生2名、3年生1名の3名の参加でしたが、好奇心旺盛の3人だったようで、帰国後受け取ったレポートには、日々新しいものに出会って感じる興奮が溢れていました。事前授業では全員で綿密なスケジュールを練りましたが、充実した9日間になったようで安堵しています。「食べものが全部美味しかった」という感想も聞いているので、その点も佐藤先生に感謝です。それでは、以下、佐藤先生に現地研修のご報告をしていただきます。
                                                        (以上、郷原佳以)

 今回の研修では、移動時間(往路12時間半、復路11時間半のフライト)の関係で、現地滞在は7泊8日となりました。パリ18区、モンマルトルのふもとに位置するこぢんまりとしたホテルに期間中ずっと宿泊し、そこを拠点にしつつ、今日は〇〇界隈へ、明日は××地区へとパリの街を散策、そしてときに早起きして遠出にチャレンジ、と、精力的に、また、場所の一つ一つに十分に時間を割きながら、あちらこちらを見聞しました。天候にも恵まれて、雨を目にしたのは、モン・サン・ミシェルのレストランで昼食をとっていたときの数十分間のみ。そのたった一度の雨は土砂降りの雨でしたが、しかし、それも、天気がコロコロ変わることで有名なノルマンディー地方ならではの体験と考えるならば、旅に興趣を添える出来事の一つであったと言えなくもないかもしれません。

 主な訪問先を写真とともに行程に沿ってご紹介します。

 8月27日(月)モンマルトル地区探訪。まずはサクレ・クール大聖堂へ。完全に逆光になってしまいましたが、手前にいる3名が今回の参加者です。午前中だったためでしょうか、観光客の混雑はそれほどでもありませんでした。









 小高い丘の頂上にあるサクレ・クール大聖堂の塔を登るならば、このとおり! パリ一望の視界が開けます。エッフェル塔、ノートル・ダム大聖堂、ポンピドゥー・センター等、この数日間に訪問する予定の建物を確認しています。









 大聖堂の付近には、パリ市内唯一のブドウ園があります。収穫の秋もそろそろ。ブドウが色づき始めています。











 午後は、メトロで移動して、パリの中心の一画へ。マドレーヌ教会を見て、フォション本店に立ち寄った後、オペラ座に来ました。建物内に入るなり、豪奢な空間に包まれます。










 見学客に開放されたボックス席からみた舞台と観客席。あまりの豪華さに、写真を撮らずにはいられません。











 客席の上、天井一杯に広がるのは、シャガールの絵です。











 8月28日(火)。パリのサン・ミシェル駅からRER(首都圏高速交通網)のC線に乗って約40分。ヴェルサイユ宮殿にやってきました。目指す建物は、まだ遠くにありますが、一番の外側の門を通過したところで、ルイ14世の像に敬意を表して、最初の記念撮影です。








 宮殿内部。観光客で溢れかえっていました。礼拝堂に続いて、ヘラクレス、ヴィーナス、ディアナ等々、ギリシャの神々にちなんだ名をもつ間が連なります。赤、緑、白と異なる色の大理石を贅沢に使用した柱や壁に、その間のテーマを表す絵画が組み合わされています。








 アポロンの間、戦争の間、と通り抜けた後に続く、有名な鏡の間...の入り口です。写真には影しか映っていませんが、この先には、天井から吊り下がる3列のシャンデリアが壁面の鏡にきらめく、奥行き75メートルの回廊式の部屋が広がっています。








 宮殿の外に広がる巨大な庭園。全長数キロに及ぶ十字型の運河に、50の泉、320の噴水、200体の彫刻があるとのこと。あまりに広大なので、離れの宮殿グラン・トリアノンとプチ・トリアノンにはミニ・トレインで行くことにしました。









 まずは、大理石のバラ色が美しいグラン・トリアノン。












 そしてこちらが、マリー・アントワネットが好んで住んだというプチ・トリアノン。薄いグリーンを基調とした、周囲の緑にとけ込む外装と内装の館は、きらびやかな中央の宮殿を訪問した後では、慎ましやかとさえ思われてきます。









 8月29日(水)。パリは1区、ルーブル美術館を訪れました。ガラスのピラミッドから地下に下って入館します。鑑賞は自由行動で。後で聞いた話によると、3人とも、広い館内を迷うことなく、モナ・リザやミロのヴィーナス、ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』等々、目当ての作品の場所にたどり着くことができたそうです。







 セーヌ川沿いをバスで東に移動、4区に来ました。一番の目当ては、パリの始まりの地シテ島にたつノートル・ダム大聖堂です。バラ窓が美しい内部を見学したあと、1時間近くと告げられた待ち時間にもひるまず、塔を登ることにしました。









 踊り場もなくひたすら続く塔の階段を上がってたどり着いた最上階で迎えてくれたのは、V・ユゴーの小説とともに知られる鐘。








 バルコニーに出ることもできます。ガーゴイルと一緒にエッフェル塔を遠望。当初の計画では、下に見えるセーヌ川のクルーズ観光をこの後に予定していましたが、時間と体力とを計算して、別の日に延ばすことにしました。









 翌8月30日(木)。朝6時すぎにホテルを出発、メトロ、TGV(日本の新幹線に相当する高速鉄道)、バスと乗り継いで、パリの西約300km、モン・サン・ミシェルに来ました。陸から伸びる道の途中でバスは停車。この先は徒歩で島に向かいます。








 島内の様子。中世の街並を思わせる狭い路地に、レストランやカフェ、土産物屋が並びます。











 1300年以上の歴史をもつともいわれるこの巡礼の地。最上部には修道院があります。こちらは、かつて修道士の祈りと瞑想の場となっていた回廊です。
なお、ワールドスタディの一行は、昔の巡礼者のひそみにならって、遠路の疲れを癒すために考案されたという大きなオムレツも昼食できちんと食しました。







 8月31日(金)。この日の散策は、文教地区として知られるカルチエ・ラタン(5区)から。文房具店や書店の新学期の賑わいを感じながら、ソルボンヌ大学やコレージュ・ド・フランスを見た後、偉人たちの霊廟パンテオンへ。内部では、フーコーの振り子(写真)が揺れ、J-J・ルソーの生誕300周年記念の企画展が開かれていました。







 金曜日の礼拝のために人々が続々と集まるモスクの隣、付属のカフェで一休み。水煙草を楽しんでいる男性を横目で見ながら、ミントティーと中東風のお菓子を試しました。
 午後は、セーヌ川を越えてマレ(4区)へ。帽子から靴まで黒ずくめのユダヤ教徒の男性を見かけました。マレ地区は、古くからのユダヤ人街であると同時に、素敵なカフェやレストラン、食料品店、雑貨屋、ファッション関係のお店が集まる、若者に人気の界隈としても有名です。





 アルマ橋のたもとでバトー・ムーシュに乗船。セーヌ川観光に出航です。8時半の時点でこの明るさですが、1時間10分ほどの乗船のあいだに夜の帳が下りて、素晴らしい夜景を楽しむことができました。航程終わり近くに川から見上げた、イルミネーションに彩られたエッフェル塔は、まさにクライマックスの名に相応しい豪華さ。カメラに収めなかったことが、報告する今になってつくづく惜しまれます。






 9月1日(土)。研修の実質的な最終日です。まず、これまで眺めるばかりだったエッフェル塔(7区)を訪れました。











 そして凱旋門も。このあと、各自、気の赴くままにシャンゼリゼ大通りを歩いて下りました。大通り外れの待ち合わせ場所に集合してからは、みなでコンコルド広場とオランジュリー美術館(モネの『睡蓮』が圧巻!)へ。ついで、サンジェルマン・デ・プレ教会とその周辺(6区)を散策し、サン・ミシェルの噴水近くのフランス料理店で研修を締めくくりました。






 最後の夕食をとったレストランではメニューの表記がフランス語のみでしたが、7日のあいだに現地の人を相手に積んだいろいろの経験もあって、前菜 entrée、メイン plat、デザート dessertの組み合わせに戸惑うことなく、みなスムーズに注文することができました(ちなみに、上では報告を省略しましたが、滞在中には、レバノン料理、パキスタン&インド料理、チュニジアのクスクスなどのエスニック、ガレット、牛肉の赤ワイン煮、フォンデュ、タルタル・ステーキ、オニオン・スープなどのフランスの各地の伝統料理、バゲットやクロワッサン、またアイスやタルトなどのお菓子等々、パリの多様な食文化を味わう機会がありました)。

 事前の学習で得た知識と、実際の出来事と、そして何より参加者のみなさんの好奇心とが幸福な出会いを果たして、よい実を結んで、今回のフランス研修はとても楽しい旅となりました。郷原先生をはじめ、企画の実現を支えてくださったみなさまに心からお礼を申し上げます。
                                                         (以上、佐藤朋子)


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