◇◇◇ 南ドイツのクリスマス習俗 ◇◇◇・・・・比較文化学科 佐藤茂樹 先生

投稿日時 2012-12-19 18:33:01 | トピック: 最新情報

 クリスマスというと、日本では街のあちこちでジングルベルが鳴り、パーティが開かれ、たいへん賑やかな一日ですが、ヨーロッパのクリスマスはあくまでキリストの生誕を家族で祝う日で、とても静かで落ち着いた日なのです。人を招いたり、大勢で集まって騒いだりすることはありません。もちろんアドベントが始まると、広場や街角にはクリストキント・マルクト(クリスマス・マーケット)が開かれ、ツリーやクリッペの飾りを求める買い物客で賑わいます。人々は、冷え切った身体をグリューヴァイン(ホットワイン)を飲んだり、焼きソーセージを頬張ったりして暖めながら、何時間も屋台を見て回って過ごします。けれども、それも24日の昼までで、その後は人足もぱたりと途絶え、図ったように小雪などもちらついてきて、静かな聖夜が始まるのです。デコレーション・ケーキもありません。

 そんなヨーロッパのアドベントの習俗を、わたしのゼミナールのみんなは南ドイツを例にして再現してみました。12月20日まで、金沢文庫キャンパス校舎のエントランス・ホールに展示してあります。みなさんには、この画像を見ながらヨーロッパの静かなクリスマスに思いを馳せていただければ幸いです。シュトレンを焼くのには、関東学院六浦小学校の調理場を貸していただきました。以下のキャプションは、当ゼミナールの学生のみんなが制作展示物に付けたものです。




◆アドベント
 アドベントとは、キリスト教西方教会において、イエス・キリストの降誕を待ち望む期間のことです。5から6世紀頃に降誕を待ち望む、クリスマス前の準備期間として定着して以来、大切に守られてきました。アドベントとは、ラテン語の「到来」を意味するAdventusから来たもので、キリスト教においては、人間世界へのキリストの到来、キリストの再臨を表現する語として用いられます。
◆期間
 11月30日にもっとも近い日曜日(主日)からクリスマスイヴまでの約4週間がこれにあたります。短くて22日間、長くて28日間あります。

◆歴史
 トゥールの司教ペルペトゥス(490没)が11月11日からクリスマスまで週3回の断食を命じたものが、アドベントの過ごし方を定めた最古の証言と言われています。これは元々、東方教会では1月6日の公現祭に洗礼を受ける予定の人々が、その日のために断食と悔い改めを行う準備期間としてあったのですが、西方教会においてクリスマス前の守り方として導入されました。このようにして、断食と悔い改めの期間であるため、典礼色には紫(ヴァイオレット)が用いられます。

◆アドベントの主な習慣

 ●アドベントクランツ
 ドイツ国内伝導の祖J. H. ヴィヒャーン(1808−81)が子どもたちの施設で毎日一本ずつロウソクに火を灯したことが起源とされています。今日、ロウソクは4回の主日を示していて、ロウソクの色は悔い改めの色である紫(ヴァイオレット)が用いられるのが通例ですが、習慣等にとらわれない教会や家庭ではロウソクの色は自由で、多種多様なものが存在します。

 ●アドベントカレンダー
 クリスマスまで毎日数字の書かれた窓やポケットを開け、中に入っているものを手に入れることができるカウントダウンカレンダーです。窓やポケットをすべて開けるとクリスマスを迎えることを教えてくれる仕掛けになっていて、子どもたちの楽しみのひとつでもあります。




  ●シュトレン
 ドイツでは、シュトレンと呼ばれるお菓子を少しずつスライスして食べるという習慣があります。白い砂糖で覆われ、丸みを帯びた外見は、白いマントでくるまれた幼子イエスをうつしたものだといわれています。

  ●クリッペ
 粘土や張子などで人形を作り、幼子イエスを羊飼いと東方三博士が拝む場面を表したものです。聖書の一場面を伝えるという点でもアドベントには欠かせない大切な飾りです。クリッペ(Krippe)とは、ドイツ語で飼葉桶を意味しています。



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